天を目指した光の塔へ
ノートをガリガリ探ってたらプレイ直後の散文見つけたので上げてみます。レムの塔ネタバレ。
惑星オールドラント、キュビ半島、レムの塔。
死に逝くこの星を救おうと、穢れし気の浄化を求めた者は剣を振り上げる。
数千の同胞と自らの命を代償に、自分達を拒んだ者らを救う為に。
彼は自ら退路を断ち、強引に歩みを進めた。
震えるこの足が、踵を返してしまわぬように。
震えるこの胸が、心を揺らしてしまわぬように。
愚かな人々が、死から逃れんとして天を目指した塔。
愚かな希望を集められた、形だけ美しいばかりの生への執着の塔。
そしてそれは、犠牲を求める救済と生贄の為の塔。
偽りの者達がひしめき合う、終わりの塔。
穢れた空へ、叫びが谺する。
生を求め、死を拒絶し、誰にも届かぬ言葉と響かぬ声が、塔を揺らす。
ND2018
ローレライの力を継ぐ若者
人々を引き連れ鉱山の街へと向かう
そこで若者は力を災いとし キムラスカの武器となって
街と共に消滅す
しかる後にルグニカの大地は戦乱に包まれ マルクトは領土を失うだろう
結果キムラスカ・ランバルディアは栄え それが未曾有の大繁栄の第一歩となる
天を目指した光の塔へ
聖なる焔の光は穢れし気の浄化を求め キムラスカの音機関都市へ向かう
そこで咎とされた力を用い 救いの術を見出すだろう・・・・・・
- その愚かなる希いを捧げんとすれ
天秤は傾く。
常に一方へと傾き続けていた天秤は、此処に至って大きくそのバランスを崩していた。
王女たる者、己と己の民を天秤にかけてはならない。優先されるべきは自国の民であり、民が幸せに生きる為に己を殺す事も時には必要なのだ。
だが、揺らいではならない筈の天秤は、此処で大きく均衡を崩す。
どうして、二人に一人を選べましょうか。
ルークとアッシュ。所詮はレプリカと被験者だと、そう割り切れるじゃないかと、世界は言うでしょうか。
そうでしょう、そうかもしれません。確かに、今目の前に居るルークは、私とあの約束を交わした『ルーク』では無い。
それでも、彼もまた、私の幼馴染に変わりは無いのです。
喜ぶべきなのでしょう。これで我が国は救われる。国だけではなく、世界そのものが、障気から救われる。
違いますか、王女ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディア。
そして、彼の犠牲に畏敬と賞賛を送るべきなのでしょう。
彼が――――――消えてしまうのに?
引き換えに何を得られると言うのです。いえ、何を得られるとしても、何も得られずとしても、ルークを犠牲になど!
オリジナルもレプリカも、関係などありません。彼もまた私の幼馴染、彼も私にとっては、もう一人の『ルーク』。
何故、二人に一人を選ばなければならないのですか。
二人のルーク。片方を選べば片方が消える。
オリジナルが残れば良い? 何故、そんな事は有り得ない。
叱るように止めても、あの人は諦めたように目を逸らした。
嗚呼・・・そうかもしれません。
私はかつて一度、オリジナルとレプリカという目で彼を見捨て、選んだ。
これはその罰なのですか。あの時身勝手に、過去を求めて天秤を傾けた私への。
そして私は思い知る。
ルークとアッシュ。二人を選ぶ事など出来ないと。
選んだ先に引き払う代償を。
王女は世界と何かを天秤に掛けてならない。掛けようとしては、ならない。
けれど、その傾く先は―――
どうか、どうか・・・・・・彼を、止めて下さい。
私の全ての願いと引き換えに、誰か・・・どうか。
『ルーク』を、死なせないで・・・・・・!
- 祈りと共に全てを捧げ給うな
涙が溢れて止まらなかった。
自分に泣く資格など無いと知っていながら、それでも涙を止める事は出来なかった。
裏切り者と罵られた事など、一度たりとも無かった。
泣きじゃくる自分を慰めるあの手の温もりを、まだはっきりと覚えている。
彼が過ちを犯した時、自分は唯辛辣な言葉を吐き、彼を見捨て一人きりにさせただけだと云うのに。
もう嫌だ、と大声で泣き叫びたかった。
馬鹿なのは私だ。みんなを裏切って、イオン様を死なせて、それでまだ足りないの。
自分が死ぬって、馬鹿な事言ってるルークを、止めなくちゃいけないのに。
私はただ・・・・・・駄々をこねるみたいに、泣いてるしか出来ないんだ。
ねえ、イオン様。これが、あなたの視た未来ですか?
そんな訳無い。誰よりも優しいあなたが、こんな未来、最期に遺す筈が無いでしょう?
嫌だよ、ルーク。ねえ、消えないでよ。
どうして、自分が死ぬなんて言うの? どうして、自分が死ぬなんて言えるの?
そんな事言わないで、それなら大声で嫌だって叫んでよ!
あの、髪を切る前のどうしようもない頃だったみたいに、思うまま嫌だって言ってよ!
そっちの方が、ずっと・・・ずっと、良かったのに。
私の所為だ。私が、全部私がいけないんだ。
だったら、どうして死ぬのは私じゃないの?
どうしていつも、私の所為なのに私じゃない誰かが死ななくちゃいけないの?
あんなに酷い事言って、あんなに裏切って、それでもあなたは私を責めなかった。
今なら、あなたの優しさが私にもわかるのに。
お願い、死なないで。死なないでよ!
イオン様が消えた時みたいに、あんな思い、もう一度しなくちゃいけないの?
泣いて縋る私に、ルークはただ、泣きそうな声で謝った。
謝って欲しいんじゃないよ。
ねえ、ルーク。私、一度も謝ってないね。一度も、ありがとうって言ってない。
酷い事、言ってごめんなさい。裏切ってごめんなさい。
それなのに、信じてくれてありがとう。
その事、私、まだ言えてないんだよ。
だから、死なないで。
だから、だから・・・・・・ルーク、消えないでよ・・・っ!
- 生を望みて死に絶つこと勿れ
殴った時の衝撃が、右手を通じて脳に届く。
死ねば、もう何も届かないのだろう。
殺したい程憎んでいた時もあった。そんな自分が今、彼を死なせたくないと全力で止めていた。
一瞬、世界なんてどうでも良くなった。
それでも、一度あの子が決めた事を、変えてはいけないと思った。
馬鹿野郎が、と、気付いた時には口をついて出た。
本気で、障気なんか放っとけと思った。どうにもならないモノなんか、放っとけば良いだろう。
どうしてお前がその為に死ぬ必要があるんだ。お前が死ぬ必然性なんか、この世の何処にもあるもんか!
前に、俺はお前に「世界中幸せにしろ」って言ったな。アレはこんな意味で言ったんじゃない。その世界中の中にお前も含まれてなきゃいけない。命と引換にしてまでやる事なんかじゃない!
・・・・・・違うな、そんなんじゃない。
そうだよ、俺はお前に死んで欲しくないんだよ。
レプリカだから?オリジナルだから? ふざけるな!何時、誰がそんな理由で生死を決めた。
お前はまだ七年しか生きてない。たった七年だ。その内のほとんどは、世界の少しも見られてない。
なのに、その世界を救う為に、死ぬって言うのか?
世界なんて、障気なんてどうでも良い。お前が生きてさえいれば、それで良いんだよ。
死んだって何にもならない。もしお前に死ねという奴が居るなら、そんな奴の言葉は無視していい。
お前を死なせるような世界、救わなくたって良いんだ!
それなのに俺は、ティアを止めた。
ルークを止めようとしたティアを、俺は止めた。
そうでもしなきゃ、絶対俺はお前を止める為に飛び出してただろう。
本当は、俺は見届けるべきなんだろう、お前の最期を。
だけど、どうしても・・・振り向けない。消え逝く姿を、見る事が出来ない。
ありがとう、と、呟く声がした。
・・・・・・遅かったんだな。何もかも。
一番長く傍に居ながら、お前が一番欲しい時に、一番欲しい物を、俺は気付けない。
気付くのも、その言葉をかけるのも、遅すぎたんだ。
お前がここまで成長した事、俺は誇るべきなのだろうか。それとも、悔むべきなのか。
ルーク、お前をこんな道に進めた事に、俺は責任を負うべきなんだろう。
その代価がこの結果なら、俺は一生この罪を背負っていくべきなんだろう。
お前を止められなかった。驕り、一番大切な時に一番大切なモノをやれなかった。
此処に居てくれれば良いんだよ、ルーク。ただ、生きていてくれれば良かったんだ!
- 偽らざるモノが此方に在るとするならば
全てを神の視点から見た時、運命はどちらを選ぶのか。
世界の全てを秤にかけた男は、唯一言、世界の答えを口にした。
その答えが極めて残酷だと知っていた。そして、口にすればあの子供がそれを受け入れるであろう事も。
全てが計算の上。天秤の傾くまま、「正解」を選べば良い。
それ以外の正解など存在しないのだから。
何て非道い人間なのだろうと、私は自嘲する。
レプリカは所詮劣化複製品。力では圧倒的に被験者に劣るし、減ったところで何ら問題は無い。
それなら被験者が生き残るべきだ。だから、アッシュを止めた。
そして、レプリカに死ねと言った。
彼が、逃げられないと知りながら。
周囲がどんなに止めようと、必ず頷くだろうと知りながら。
それが、一番残酷な事だと知っていながら。
私は、その答えを口にした。
障気はどうしようも無い。レムの塔で超振動を使えば、今のレプリカの総数から見てもこの惑星の障気は消えるだろう。ローレライの剣はアッシュが持っている。悪戯に増えたレプリカも消える。
超振動を扱える『聖なる焔の光』が二人居れば、この先にあるローレライの解放も行える。
そして、その時消えるなら―――能力の劣化したレプリカに決まっている。
感情が其処に必要ですか。世界を懸けたこの選択に、感情など入れる必要は無い。
軽蔑して下さって結構。最低だと罵って下さっても構いませんよ。何なら、今すぐその剣で斬り殺しますか?
命に重い軽いが無いなど、そんなものは只の綺麗事です。結局、世界とは犠牲の数と犠牲者の価値で決められる。
権力者はそうして己の地位と国を守り、屍の上に世界は成り立つ。
・・・・・・それが、何故彼でなくてはいけないのでしょう。
選択を迫られたから選んだ。選ばれなかった彼は、世界の為に死んで逝く。
ただ、それだけの話だ。其処に何の間違いも無い。
恨んでも構いませんよ。あなたのどんな罵声も恨み言も、全部受け入れるつもりでしたから。
それなのに、貴方は微笑んだ。
・・・・・・・・・いっそ、責めれば良かったんです。恨んで許さない、とでも言ってくれれば。
そっちの方が、余程楽だ。
それで、貴方が少しでも楽に逝けるのなら。
いずれ避けられぬ終焉ならば、少しでも安らかに。
やはり、私は最低に冷たい人間ですね。
友人と思う者すら、止められない。むしろ、死んでくれと告げた。
・・・・・・その後に口をついて出たのは、無責任な謝罪の言葉。
自ら死んで下さいと言っておきながら、その事を悔み、止めてくれないかと思うばかりだというのに。
- 誰が為に汝は逝かん
死を選んだ彼を、止めようとはしなかった。
彼が自分で選んだ事に、自分が口出しするべきでは無いと勝手に決め付けて。
かつての自分の強がりを、彼は受け止めてくれた。だから、自分も止めまいと思った。
それでも、彼が剣を掲げ死を叫んだ瞬間、体が動いていた。
決して言うまいと思っていた言葉が、声の限りに叫ばれた。
止めて、と、気付いた時には叫んでいた。
止めないと言ったのは私なのに。あなたが剣を振り上げた瞬間、世界も障気も、何もかもどうでも良くなった。
世界より、障気より、あなたが消えてしまう事の方が、ずっと重要になった。
たとえそれで世界が救われても、あなたが居ない世界でどうやって生きろと言うの?
止めて。そんな事・・・・・・もう止めて!!
あなたは今まで聞いた事も無いくらい鋭い声で、来るな、と言って。
そして私は、ガイに止められてた。
どうして、ルーク。どうして、あなたが死ななければならないの。
あなたが死ぬ意味なんて、今この世界の何処にあると言うの。
世界がどうしたの。障気が何なの。
あなたが消えてしまう事に比べれば、それが何だと言うの?
生まれた意味が知りたいのなら、私が教える。
生きている価値が欲しいのなら、私があげるわ。
此処に居て、息をしているじゃない。そんな事に意味があるの?
今まであなたがして来た事、それは全て価値のある事じゃないの?
あなたが此処に居てくれれば良い。
それだけで、意味は十分にあるの。
生きていてくれれば良い。
その事に、価値なんて必要無い。
・・・・・・もう、理由なんて要らない。
死なないで、消えたりなんかしないで。
此処に・・・・・・生きていて、ルーク!
惑星オールドラント、キュビ半島、レムの塔。
死に逝くこの世界を救おうと、生まれた意味と生きる価値を求めた者は剣を振り上げた。
幾人の仲間達の声と自らの願いに背を向け、最初で最後の意味と価値を自分に与える為に。
渦巻く光の中で、彼は声の限りに叫んだ。
消えて逝くその刹那、掴んだそれを知って。
死んで逝くその刹那、探したそれを見つけて。
泣きながら、天に向けて叫んだ。
死にたくない・・・・・・ 死にたくない!
俺は・・・・・・此処に居たい!
誰の為でもない・・・・・・
俺は生きていたいんだよ!!
光が空を貫き、願いは数多の声と共に放たれる。
古の時代、光の名を冠し、天を目指した光の塔へ。
-------------------------------------------------
TOAより「天を目指した光の塔へ」。・・・タイトル見るとまんまですねぇ・・・(苦笑)。
言わずと知れた、レムの塔の障気中和イベント。ある意味レプリカ編の山場。下手するとエンディングに匹敵しそう。
私はコレ、前にも書きましたが絶叫しながらプレイしました。(近所迷惑
学校での落書きを加筆・修正したものです。
少なくとも・・・秘預言とイオンの預言は確かめましたよ。小説で(オイ
順番を念の為言うと、ナタリア→アニス→ガイ→ジェイド→ティア、という風になってます。最後の二人が難産。
ジェイドは書きにくい事覚悟しておいたんですが、ティアが此処まで難しいとわ・・・くぬ・・・。
本当はルークの分も書こうか考えてたんですが、さすがに無理でした。慣れない事はするもんじゃありません。
一人称書きは今一慣れんです。
このイベントは見てて辛かった・・・というより、袖が濡れました。マジ泣きして。
うーん・・・何でログを取っておかなかったんだ私・・・・・・(二週目未だ外殻大地編/ダメじゃん)
余談。
レディアントマイソロジー2、三人娘の失踪までとりあえず進みました(遅
ていうか、セネル職業柄装備で防御力上げられないんだよなー・・・300台はツライ・・・。
あ、それと、レディアント装備は狩人と魔法剣士の分だけ取りました。Rマジックフェンサー無駄に強!秘奥義二回かましました。
レベル60で挑んだ私が無謀だったんかな・・・ううむ・・・。グミを凄い勢いで使いました。
次は・・・どうしようかなあ・・・。基本後衛が好きなので。
格闘家がレッツ放置状態・・・ま、いっか。魔術師あたり育ててみようかなぁ・・・。ビショップは何というか・・・微妙。
・・・そういえば、マナと音素(フォニム)って、やっぱり使い勝手違うのかなー・・・。爪術は何か属性からして違っていそうだが、まあ置いておく。
コメント返信
空野翔さん>
コメントありがとうございまーすっ!
くーっ・・・秘奥義は無理矢理で良いので、全員分欲しいですよね・・・。セネルはいっそ、あの「万物神追撃」を秘奥義扱いにしてくれれば(オイ
ユーリはもう、アレですね。技の少なさで何かを悟るしか。彼はとりあえず秘奥義の仕組みを知りたいです。
決闘立会人・・・そういう方法がっ! 私はもうとにかくルークに頑張ってもらう方針だったので(近距離戦苦手)。盗賊は速さが自慢ですよね。
レディアント装備、結構ゴージャスなので最初は装備するのに若干勇気が要ります(苦笑)。狩人は慣れれば楽しいですよー。操作法はマニュアル推奨です。
聖騎士は役立つんですけど、出の遅さが今一使いにくくて放置状態です(爆)。両手剣装備は技が使いにくくて・・・。
はい!頑張ります!(笑)
惑星オールドラント、キュビ半島、レムの塔。
死に逝くこの星を救おうと、穢れし気の浄化を求めた者は剣を振り上げる。
数千の同胞と自らの命を代償に、自分達を拒んだ者らを救う為に。
彼は自ら退路を断ち、強引に歩みを進めた。
震えるこの足が、踵を返してしまわぬように。
震えるこの胸が、心を揺らしてしまわぬように。
愚かな人々が、死から逃れんとして天を目指した塔。
愚かな希望を集められた、形だけ美しいばかりの生への執着の塔。
そしてそれは、犠牲を求める救済と生贄の為の塔。
偽りの者達がひしめき合う、終わりの塔。
穢れた空へ、叫びが谺する。
生を求め、死を拒絶し、誰にも届かぬ言葉と響かぬ声が、塔を揺らす。
ND2018
ローレライの力を継ぐ若者
人々を引き連れ鉱山の街へと向かう
そこで若者は力を災いとし キムラスカの武器となって
街と共に消滅す
しかる後にルグニカの大地は戦乱に包まれ マルクトは領土を失うだろう
結果キムラスカ・ランバルディアは栄え それが未曾有の大繁栄の第一歩となる
天を目指した光の塔へ
聖なる焔の光は穢れし気の浄化を求め キムラスカの音機関都市へ向かう
そこで咎とされた力を用い 救いの術を見出すだろう・・・・・・
- その愚かなる希いを捧げんとすれ
天秤は傾く。
常に一方へと傾き続けていた天秤は、此処に至って大きくそのバランスを崩していた。
王女たる者、己と己の民を天秤にかけてはならない。優先されるべきは自国の民であり、民が幸せに生きる為に己を殺す事も時には必要なのだ。
だが、揺らいではならない筈の天秤は、此処で大きく均衡を崩す。
どうして、二人に一人を選べましょうか。
ルークとアッシュ。所詮はレプリカと被験者だと、そう割り切れるじゃないかと、世界は言うでしょうか。
そうでしょう、そうかもしれません。確かに、今目の前に居るルークは、私とあの約束を交わした『ルーク』では無い。
それでも、彼もまた、私の幼馴染に変わりは無いのです。
喜ぶべきなのでしょう。これで我が国は救われる。国だけではなく、世界そのものが、障気から救われる。
違いますか、王女ナタリア・ルツ・キムラスカ・ランバルディア。
そして、彼の犠牲に畏敬と賞賛を送るべきなのでしょう。
彼が――――――消えてしまうのに?
引き換えに何を得られると言うのです。いえ、何を得られるとしても、何も得られずとしても、ルークを犠牲になど!
オリジナルもレプリカも、関係などありません。彼もまた私の幼馴染、彼も私にとっては、もう一人の『ルーク』。
何故、二人に一人を選ばなければならないのですか。
二人のルーク。片方を選べば片方が消える。
オリジナルが残れば良い? 何故、そんな事は有り得ない。
叱るように止めても、あの人は諦めたように目を逸らした。
嗚呼・・・そうかもしれません。
私はかつて一度、オリジナルとレプリカという目で彼を見捨て、選んだ。
これはその罰なのですか。あの時身勝手に、過去を求めて天秤を傾けた私への。
そして私は思い知る。
ルークとアッシュ。二人を選ぶ事など出来ないと。
選んだ先に引き払う代償を。
王女は世界と何かを天秤に掛けてならない。掛けようとしては、ならない。
けれど、その傾く先は―――
どうか、どうか・・・・・・彼を、止めて下さい。
私の全ての願いと引き換えに、誰か・・・どうか。
『ルーク』を、死なせないで・・・・・・!
- 祈りと共に全てを捧げ給うな
涙が溢れて止まらなかった。
自分に泣く資格など無いと知っていながら、それでも涙を止める事は出来なかった。
裏切り者と罵られた事など、一度たりとも無かった。
泣きじゃくる自分を慰めるあの手の温もりを、まだはっきりと覚えている。
彼が過ちを犯した時、自分は唯辛辣な言葉を吐き、彼を見捨て一人きりにさせただけだと云うのに。
もう嫌だ、と大声で泣き叫びたかった。
馬鹿なのは私だ。みんなを裏切って、イオン様を死なせて、それでまだ足りないの。
自分が死ぬって、馬鹿な事言ってるルークを、止めなくちゃいけないのに。
私はただ・・・・・・駄々をこねるみたいに、泣いてるしか出来ないんだ。
ねえ、イオン様。これが、あなたの視た未来ですか?
そんな訳無い。誰よりも優しいあなたが、こんな未来、最期に遺す筈が無いでしょう?
嫌だよ、ルーク。ねえ、消えないでよ。
どうして、自分が死ぬなんて言うの? どうして、自分が死ぬなんて言えるの?
そんな事言わないで、それなら大声で嫌だって叫んでよ!
あの、髪を切る前のどうしようもない頃だったみたいに、思うまま嫌だって言ってよ!
そっちの方が、ずっと・・・ずっと、良かったのに。
私の所為だ。私が、全部私がいけないんだ。
だったら、どうして死ぬのは私じゃないの?
どうしていつも、私の所為なのに私じゃない誰かが死ななくちゃいけないの?
あんなに酷い事言って、あんなに裏切って、それでもあなたは私を責めなかった。
今なら、あなたの優しさが私にもわかるのに。
お願い、死なないで。死なないでよ!
イオン様が消えた時みたいに、あんな思い、もう一度しなくちゃいけないの?
泣いて縋る私に、ルークはただ、泣きそうな声で謝った。
謝って欲しいんじゃないよ。
ねえ、ルーク。私、一度も謝ってないね。一度も、ありがとうって言ってない。
酷い事、言ってごめんなさい。裏切ってごめんなさい。
それなのに、信じてくれてありがとう。
その事、私、まだ言えてないんだよ。
だから、死なないで。
だから、だから・・・・・・ルーク、消えないでよ・・・っ!
- 生を望みて死に絶つこと勿れ
殴った時の衝撃が、右手を通じて脳に届く。
死ねば、もう何も届かないのだろう。
殺したい程憎んでいた時もあった。そんな自分が今、彼を死なせたくないと全力で止めていた。
一瞬、世界なんてどうでも良くなった。
それでも、一度あの子が決めた事を、変えてはいけないと思った。
馬鹿野郎が、と、気付いた時には口をついて出た。
本気で、障気なんか放っとけと思った。どうにもならないモノなんか、放っとけば良いだろう。
どうしてお前がその為に死ぬ必要があるんだ。お前が死ぬ必然性なんか、この世の何処にもあるもんか!
前に、俺はお前に「世界中幸せにしろ」って言ったな。アレはこんな意味で言ったんじゃない。その世界中の中にお前も含まれてなきゃいけない。命と引換にしてまでやる事なんかじゃない!
・・・・・・違うな、そんなんじゃない。
そうだよ、俺はお前に死んで欲しくないんだよ。
レプリカだから?オリジナルだから? ふざけるな!何時、誰がそんな理由で生死を決めた。
お前はまだ七年しか生きてない。たった七年だ。その内のほとんどは、世界の少しも見られてない。
なのに、その世界を救う為に、死ぬって言うのか?
世界なんて、障気なんてどうでも良い。お前が生きてさえいれば、それで良いんだよ。
死んだって何にもならない。もしお前に死ねという奴が居るなら、そんな奴の言葉は無視していい。
お前を死なせるような世界、救わなくたって良いんだ!
それなのに俺は、ティアを止めた。
ルークを止めようとしたティアを、俺は止めた。
そうでもしなきゃ、絶対俺はお前を止める為に飛び出してただろう。
本当は、俺は見届けるべきなんだろう、お前の最期を。
だけど、どうしても・・・振り向けない。消え逝く姿を、見る事が出来ない。
ありがとう、と、呟く声がした。
・・・・・・遅かったんだな。何もかも。
一番長く傍に居ながら、お前が一番欲しい時に、一番欲しい物を、俺は気付けない。
気付くのも、その言葉をかけるのも、遅すぎたんだ。
お前がここまで成長した事、俺は誇るべきなのだろうか。それとも、悔むべきなのか。
ルーク、お前をこんな道に進めた事に、俺は責任を負うべきなんだろう。
その代価がこの結果なら、俺は一生この罪を背負っていくべきなんだろう。
お前を止められなかった。驕り、一番大切な時に一番大切なモノをやれなかった。
此処に居てくれれば良いんだよ、ルーク。ただ、生きていてくれれば良かったんだ!
- 偽らざるモノが此方に在るとするならば
全てを神の視点から見た時、運命はどちらを選ぶのか。
世界の全てを秤にかけた男は、唯一言、世界の答えを口にした。
その答えが極めて残酷だと知っていた。そして、口にすればあの子供がそれを受け入れるであろう事も。
全てが計算の上。天秤の傾くまま、「正解」を選べば良い。
それ以外の正解など存在しないのだから。
何て非道い人間なのだろうと、私は自嘲する。
レプリカは所詮劣化複製品。力では圧倒的に被験者に劣るし、減ったところで何ら問題は無い。
それなら被験者が生き残るべきだ。だから、アッシュを止めた。
そして、レプリカに死ねと言った。
彼が、逃げられないと知りながら。
周囲がどんなに止めようと、必ず頷くだろうと知りながら。
それが、一番残酷な事だと知っていながら。
私は、その答えを口にした。
障気はどうしようも無い。レムの塔で超振動を使えば、今のレプリカの総数から見てもこの惑星の障気は消えるだろう。ローレライの剣はアッシュが持っている。悪戯に増えたレプリカも消える。
超振動を扱える『聖なる焔の光』が二人居れば、この先にあるローレライの解放も行える。
そして、その時消えるなら―――能力の劣化したレプリカに決まっている。
感情が其処に必要ですか。世界を懸けたこの選択に、感情など入れる必要は無い。
軽蔑して下さって結構。最低だと罵って下さっても構いませんよ。何なら、今すぐその剣で斬り殺しますか?
命に重い軽いが無いなど、そんなものは只の綺麗事です。結局、世界とは犠牲の数と犠牲者の価値で決められる。
権力者はそうして己の地位と国を守り、屍の上に世界は成り立つ。
・・・・・・それが、何故彼でなくてはいけないのでしょう。
選択を迫られたから選んだ。選ばれなかった彼は、世界の為に死んで逝く。
ただ、それだけの話だ。其処に何の間違いも無い。
恨んでも構いませんよ。あなたのどんな罵声も恨み言も、全部受け入れるつもりでしたから。
それなのに、貴方は微笑んだ。
・・・・・・・・・いっそ、責めれば良かったんです。恨んで許さない、とでも言ってくれれば。
そっちの方が、余程楽だ。
それで、貴方が少しでも楽に逝けるのなら。
いずれ避けられぬ終焉ならば、少しでも安らかに。
やはり、私は最低に冷たい人間ですね。
友人と思う者すら、止められない。むしろ、死んでくれと告げた。
・・・・・・その後に口をついて出たのは、無責任な謝罪の言葉。
自ら死んで下さいと言っておきながら、その事を悔み、止めてくれないかと思うばかりだというのに。
- 誰が為に汝は逝かん
死を選んだ彼を、止めようとはしなかった。
彼が自分で選んだ事に、自分が口出しするべきでは無いと勝手に決め付けて。
かつての自分の強がりを、彼は受け止めてくれた。だから、自分も止めまいと思った。
それでも、彼が剣を掲げ死を叫んだ瞬間、体が動いていた。
決して言うまいと思っていた言葉が、声の限りに叫ばれた。
止めて、と、気付いた時には叫んでいた。
止めないと言ったのは私なのに。あなたが剣を振り上げた瞬間、世界も障気も、何もかもどうでも良くなった。
世界より、障気より、あなたが消えてしまう事の方が、ずっと重要になった。
たとえそれで世界が救われても、あなたが居ない世界でどうやって生きろと言うの?
止めて。そんな事・・・・・・もう止めて!!
あなたは今まで聞いた事も無いくらい鋭い声で、来るな、と言って。
そして私は、ガイに止められてた。
どうして、ルーク。どうして、あなたが死ななければならないの。
あなたが死ぬ意味なんて、今この世界の何処にあると言うの。
世界がどうしたの。障気が何なの。
あなたが消えてしまう事に比べれば、それが何だと言うの?
生まれた意味が知りたいのなら、私が教える。
生きている価値が欲しいのなら、私があげるわ。
此処に居て、息をしているじゃない。そんな事に意味があるの?
今まであなたがして来た事、それは全て価値のある事じゃないの?
あなたが此処に居てくれれば良い。
それだけで、意味は十分にあるの。
生きていてくれれば良い。
その事に、価値なんて必要無い。
・・・・・・もう、理由なんて要らない。
死なないで、消えたりなんかしないで。
此処に・・・・・・生きていて、ルーク!
惑星オールドラント、キュビ半島、レムの塔。
死に逝くこの世界を救おうと、生まれた意味と生きる価値を求めた者は剣を振り上げた。
幾人の仲間達の声と自らの願いに背を向け、最初で最後の意味と価値を自分に与える為に。
渦巻く光の中で、彼は声の限りに叫んだ。
消えて逝くその刹那、掴んだそれを知って。
死んで逝くその刹那、探したそれを見つけて。
泣きながら、天に向けて叫んだ。
死にたくない・・・・・・ 死にたくない!
俺は・・・・・・此処に居たい!
誰の為でもない・・・・・・
俺は生きていたいんだよ!!
光が空を貫き、願いは数多の声と共に放たれる。
古の時代、光の名を冠し、天を目指した光の塔へ。
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TOAより「天を目指した光の塔へ」。・・・タイトル見るとまんまですねぇ・・・(苦笑)。
言わずと知れた、レムの塔の障気中和イベント。ある意味レプリカ編の山場。下手するとエンディングに匹敵しそう。
私はコレ、前にも書きましたが絶叫しながらプレイしました。(近所迷惑
学校での落書きを加筆・修正したものです。
少なくとも・・・秘預言とイオンの預言は確かめましたよ。小説で(オイ
順番を念の為言うと、ナタリア→アニス→ガイ→ジェイド→ティア、という風になってます。最後の二人が難産。
ジェイドは書きにくい事覚悟しておいたんですが、ティアが此処まで難しいとわ・・・くぬ・・・。
本当はルークの分も書こうか考えてたんですが、さすがに無理でした。慣れない事はするもんじゃありません。
一人称書きは今一慣れんです。
このイベントは見てて辛かった・・・というより、袖が濡れました。マジ泣きして。
うーん・・・何でログを取っておかなかったんだ私・・・・・・(二週目未だ外殻大地編/ダメじゃん)
余談。
レディアントマイソロジー2、三人娘の失踪までとりあえず進みました(遅
ていうか、セネル職業柄装備で防御力上げられないんだよなー・・・300台はツライ・・・。
あ、それと、レディアント装備は狩人と魔法剣士の分だけ取りました。Rマジックフェンサー無駄に強!秘奥義二回かましました。
レベル60で挑んだ私が無謀だったんかな・・・ううむ・・・。グミを凄い勢いで使いました。
次は・・・どうしようかなあ・・・。基本後衛が好きなので。
格闘家がレッツ放置状態・・・ま、いっか。魔術師あたり育ててみようかなぁ・・・。ビショップは何というか・・・微妙。
・・・そういえば、マナと音素(フォニム)って、やっぱり使い勝手違うのかなー・・・。爪術は何か属性からして違っていそうだが、まあ置いておく。
コメント返信
空野翔さん>
コメントありがとうございまーすっ!
くーっ・・・秘奥義は無理矢理で良いので、全員分欲しいですよね・・・。セネルはいっそ、あの「万物神追撃」を秘奥義扱いにしてくれれば(オイ
ユーリはもう、アレですね。技の少なさで何かを悟るしか。彼はとりあえず秘奥義の仕組みを知りたいです。
決闘立会人・・・そういう方法がっ! 私はもうとにかくルークに頑張ってもらう方針だったので(近距離戦苦手)。盗賊は速さが自慢ですよね。
レディアント装備、結構ゴージャスなので最初は装備するのに若干勇気が要ります(苦笑)。狩人は慣れれば楽しいですよー。操作法はマニュアル推奨です。
聖騎士は役立つんですけど、出の遅さが今一使いにくくて放置状態です(爆)。両手剣装備は技が使いにくくて・・・。
はい!頑張ります!(笑)
この記事へのコメント
久しぶりにこちらにもお邪魔しにきました(待
テイルズ・・・凄くプレイしたいです・・・・orz
興味ある程度だったのが皐月さんの文見てたらますます興味わいてきました(爆)
でも現段階で新しくゲーム始めたら、やることがさらに増えて死にそうな気がするのでまだテイルズはお預けっぽいですorz
また素敵文拝みにきます!ノシ(←
追伸
気付いてたら申し訳ないんですがorz、先日携帯の方にメール送りましたので確認していただけると嬉しいです;